君はいくつ有料オンラインイベントに参加する?

新型コロナウイルス感染症の影響で、大きく変革を遂げたものの一つが、多くの人を集めて開催していたイベントだと思う。

「現地から生放送する」というのは、テレビ等のオールドメディアは得意というか、当然に行っていたが、インターネット経由は案外無かった。配信技術やインフラ的には、とっくに整っていた(実用に耐えうる状況だった)が、本当に事案がなかったように思う。私が見聞きする範囲であったのが、2019年2月に開催された乃木坂46 7th YEAR BIRTHDAY LIVEの4日目(最終日)の西野七瀬卒業コンサートだ。これでさえ、4日連続の公演の中で最終日のみの配信で、リピート配信は確か1週間後に1回あったという状況だった。NTTドコモの「新体感ライブ」というサービスを使っており、「何が新体感やねん」と思ったことは内緒だ(特別な仕掛けなど、一つもない)。あと、映画館でライブビューイングがあった。なお、「新体感ライブ」は、2020年1月に「新体感ライブ CONNECT」に名称が変わり、そして2021年8月にサービス自体が終了した。

そう言えば、ライブビューイング系の興行といえば、映画館というのが多く、自宅や手元のスマートフォンで見ることができるようなサービスは本当に見当たらなかった。その理由は不明だが、YouTubeやTwitterのような功罪混じり続けるメディアに、アッという間に不法アップロードされることが目に見えているからだと感じている。実際に、そうだったかはよくわからないが。でも、テレビ番組に関連するハッシュタグでも見てみると、リアルタイムに近いスピードで切り取られた動画や画像が上がっており、本当にげんなりする。そういう現状を把握していれば、「配信などやらん方がよい」と思って当然だ。

そうは言っても興行が打てなくなると、やることなくて暇だというよりも、活動している実感が極端に薄れ、文化が停滞しているという感覚が強くなった面はあっただろう。表立った活動ができないなかで、新しい武器を手に入れたり、とことん休んだり、動かなすぎて太ったりいろいろあったと思うが、最新を発表する場がないのは本当にしんどかったと思う。今でもしんどいままかもしれない。

誰が先進的な事例になったかはわからないが、気がついたら「無観客の有料配信イベント」というのが増えたと思う。そういうのが出てきたのは、2020年の秋頃のように感じる。このころは、少し有観客イベントが再開されていた一方で、冬に近づくにつれ感染者が増えてきたというタイミングだった。僕の印象に残っているのは、佐久間さんのオールナイトニッポン0の現地開催イベントが吹き飛び、その替わりとして無観客有料配信イベントを行って、ニッポン放送の赤字を帳消しにしたというやつだ。僕は見ていない。内緒だ。

他には、白石麻衣卒業コンサートもあった。これは見たんだけど、卒業する者があまりにも大きな存在だったため、逆に会場との距離を大きく感じたものだ。見送る側の乃木坂メンバーが泣きすぎていたからかもしれない。もしくは、私が単に配信イベント慣れしていなかったからかもしれない。

配信イベントの主催側の気持ちはあまりわからないのだけれど、取り組みはじめは特に値付けが難しかったのではないかと思う。かかる経費は見積もれるわけだけれど、販売目標の設定が大変だったのではないだろうか。精緻なマーケティングの成果だろうか、3,000円台のイベントで2時間程度という傾向というか、一視聴者としての私がそのくらいの値付けを期待するようになった。

年末が近づいてくると、各社(?)追い込みをかけてくるのか、週末に配信イベントが企画されることが多くなってきた。文化放送なんて、12月毎週土日になんか入っている勢いじゃないかと思う。

文化放送の配信イベントは、いくつか見ました。ふわさた300回記念(1日2回公演)、ぽじぽじ期待無理、期待無理~序~、むいはずといった感じだ。もしかしたら、、忘れているのがあるかもしれない(たぶんない)。この中でも、むいはずでは自分のメールが読まれて、本当にありがたかった。一方で、あえて多くは語らないが「見なくてよかった」と思ったイベントもあったことを、ここに書き記す。

興行の傾向を見ていて、一番金にがめつい(雑に言うと、コスパが悪い)のが、実は文化放送だと思うようになってきた。イベント時間が1時間で、3,500円という値付け。そして、昼夜の2回転。もちろん、昼夜では別のチケットが必要だ。

高くね?

一方、今年僕が見た中で、最高のコストパフォーマンスだったのが、星野源のオールナイトニッポンのオンラインイベントだ。これも3,500円だった。当初予定は2時間だったようだが、時間が押して実働2時間半。星野源のオールナイトニッポンスタッフが勢揃い、ゲストに佐久間宣行さん、星野ブロードウェイ(朗読劇)の脚本が野木亜紀子さん、イベント中にリスナーからの投稿を元に星野源が作詞して、エンディングに歌唱。これで3,500円だった。GoToイベントも使えたはず(3,500円から2割引)。イベント用にグッズ販売があり、顧客単価は上げに行く工夫はあったが、イベントでグッズを売るのはこれまでの定番で、普通のことである。

リアルイベントが、自宅で開かれるようなことはないので、これまでは会場に行くことと、他の参加者がいる事実を認識し、やってる感や盛り上がっている雰囲気を感じただろう。それに、大抵スマホとかしまえと言われるので、イベントを見る以外にやることがない。一方オンラインイベントは、会場からの締め付けがないから、リラックスしている、あえてネガティブな視点で言うとイベントに集中していない。スマホゲームをしながらとか、SNS見ながらオンラインイベントを見ている経験をしている人は多いだろう。私も、そうだ。

イベントなんだから、特別なもの・普段やらないものを見たいという心理も働くだろう。それを、例えば普段のコーナーを少しイジった程度にとどまっているとか、ゲストを呼べばそれでいいんだろうという考えでないだろうか。ゲストを呼べば普段より面白くなるかは、誰も保証してくれないぞ。

そういうわけで、文化放送のオンラインイベントは、普段の番組は楽しく聞いているが、気持ちが乗らないものがたくさんあって、どれも見ないかも~という気持ちになっている。アーカイブ配信が1週間あるから、時間を作って見ればいいという正論に対し、そこまでするのかという葛藤は拭えないものだ。今の私は、積極的に不参加を選んでいくつもりだ。。。

オンラインイベントは、まだバブルなのかもしれない。過渡期を経て、どうなっていくでしょうか。2021年でわかったのは、人数を減らして有観客のイベントをするにしても、チケット代金を引き上げる対応は、(ほぼ)起こらなかったことだろう。鬼頭明里の件や、福山雅治の値付けに苦労した話など、持続可能な形を模索する動きはあったが、どんなに興行が魅力的でも一定数「ここまでは出せない」という現実など、いろいろあるものだ。

イベントのオンライン配信があれば、それを見るというのが、私の主流になりそうだ。将来的には配信はやめていく可能性もある。世の中の動向を見守っていこう。

それでは。

BALMUDA Phone私的インプレッション

SIMフリーAndroid族である私が、無視できるわけがない怪物、BALMUDA Phone。その全容が、2021年11月16日に明らかになった。情報解禁後、株価が下がったという傾向が見えたが、因果関係は不明だ。

以下、カタログスペックや報道で確認できる情報に基づき、行く末を妄想する。実機に触っていないので、真偽はすべて不明である点はご了承ください。

売れないと思う

売れないと思う。でも、、0台ではないと信じたい。たくさん数がでなくても、赤字かどうかはわからないので、事業としての成否は、決算を楽しみにするといいのではないか。

売れないと思った理由

iPhoneの方が、ステキな外観に思えたから。

「Snapdragon 765のクセに高い」などの意見もあるが、こういうスペック的な観点は二の次にして、工業製品としての美しさでiPhoneだと思った。

「じゃあ、BALMUDA PhoneはAndroidの中で一番ステキなのか」と言われると、そんなわけないと思う。

もっぱらスマホガチ勢に刺さらなそうな多くの特徴

とにかく、スマホのメインストリームが備えていそうな特徴に対して、逆に行ったBALMUDA Phone。超絶ニッチなデバイスである。

そうは言っても、刺さる人には刺さると信じたい。刺さらなかった私が感じたよくない点を列挙していきたい。

コストパフォーマンス

販売価格が10万円に達する端末は、一般的にハイエンドに位置づけられており、Snapdragonなら800番台が搭載されて当然と考える。スマホのスペックを語るタイプの人は、この時点で全員脱落してしまうだろう。

丸い形状

私だけのこだわりかもしれないが、平面に置いた時にガクつかない、とどのつまり背面は平面に仕立ててほしい。

音ゲームのプレイヤーになって考えてほしいのだが、ガタガタ揺れる端末ではプレーしにくいことは想像に難くない。音ゲームプレイヤーは、ここで全員脱落してしまうだろう。

なお、ワイヤレス充電に対応という思いがけない装備をしてきたが、平面でない形状のスマートフォンであることを考慮すると、縦スタンド型のワイヤレス充電器に設置できず、倒れてしまうのではないだろうか。なお、私はAnker PowerWave 10 Standを使っているが、端末を立てかけるところのサイズを計測したところ、約14mmだった。BALMUDA Phoneのカタログでは、厚さは約13.7mmとのことだ。端末にケースを装着してしまう状況では立てかけるスペースよりも厚みが出てしまい、マジでダメな可能性が高くなってしまう。

ワイヤレス充電器を使うなら、テーブル形にした方がいい。俺は言ったからな。一方、こんな心配をさせてしまう端末形状のわりに、専用のワイヤレス充電器は現状ラインナップされていないようだ。残念。

勘がいい方はお気づきかと思うが、スマホスタンドの中にはこの丸い背面のせいで使えないケースが出てくると思われる。BALMUDA Phoneを使う場合は、アクセスサリ選びも慎重にだ。

念のため申し添えるが、私はPixel 6を使っている。Pixel 6は背面のカメラ部分が飛び出ている形状なので、「お前のスマホかて、背面ガタガタやないか」とツッコまれてしまうのだが、純正のケースを使うと、カメラ部分の上下がカメラよりやや出っ張っており、それが上手く支えになってガタつくことはない。よかった……

余計なもの、足りないもの、不明で不安を感じるもの

Android端末で不評なものの代表と言えば、端末メーカー独自アプリだ。使わないくせに、消せないという二重苦を感じるユーザーがいると聞く。私がXperiaを使っていた頃の不満の一つだった。BALMUDA Phoneは、独自アプリをウリの一つにしており、この点も完全に逆に行ったと私は考えている。

お気に入りは、桁数が区切りの勘まではなく、桁の表記”億”とか”万”とかが直接表示される電卓だ。私は、簿記2級に4回不合格するくらいは電卓に触っているが、こんな桁表示をする電卓は一度も見たことがない。もちろん、ほしいと思ったことも、あったらいいなとおもったこともない。こんなアプリを実装してしまう前に、BALMUDA Calculatorなどと銘打って、独自の電卓を販売し市場の反応を見てもよかったのではないか。なお、BALMUDA Calculatorあったとしても買わない。ただ、高額な商品を売るようなお店だと、こういう桁表記のがワンチャンわかりやすいのかもしれないと思った。すると、、、高級ブティックとかの商談用でBALMUDA Phoneが売れるのではないか!?!?!?!?勝ち筋が見えた(?)

スケジュールアプリなどは、他のどのアプリより優れている可能性があるが、それを動機にBALMUDA Phoneを買う可能性は少ないだろう。

足りないと思われたのは、バッテリー容量だ。画面が6インチ以上が当たり前な最近のスマホに対し、約4.9インチと明らかに小さなBALMUDA Phoneであるが、前者は4,500mAh程度はバッテリーを詰んでくるものの、BALMUDA Phoneは2500mAhである。何をするわけでもないが、少なすぎる印象を持って当然である。なんとな~くだが、大きさに対して搭載したバッテリー容量で言うと、3年くらい時代遅れな設計だと感じてしまう。

他に足りないものは、カメラ性能のアピールだ。もっとも、単眼でシンプルに性能が劣っている可能性がある。食品の撮影に優れているといった話は見たが、Foodieのような人気アプリと単純比較できるわけでなく、フードコーディネーターのようなプロフェッショナルくらいにしか刺さらないかもしれない。また、現在のスマホはAIを活用した処理が、スマホがスマートであるゆえんとすら言える。アピールするようなことはないが、AIは活用しているということであれば、逆に中途半端だ。むしろ機械にイニシアティブを握らせない所有者中心のスマホなどアピールした方がいいかもしれない。ガラケーでよかったのかも。

不明で不安を感じるものは、ディスプレイ素材だ。4.9インチで、1920×1080ドット、454(H)×449(V)ppiのスペックとあるが、液晶か有機ELかわからなかった。雑に調べたところでも、情報がない。まさか液晶だとは思わないが、万一液晶だったら、もう泣いた方がいいかもしれない。気になりすぎて、眠くならないと眠れなそうなので、問い合わせをした。返答があったら、追記します。
→サポートから回答があり、液晶とのことだった(2021年11月17日22:37追記)

どんな人にオススメできそうか

私は以下と考える。

  • BALMUDAが大好き
  • デザインに、心を奪われすぎた
  • スマホの超絶ライトユーザー
  • 高級ブティック・超高額で時価の商品を扱うお店での電卓として

電卓用が一番売れるかもよ……

終わりに

私にとって、「Pixel 6を早まって買ってしまった」という事態にならず残念です。

とかいいつつ~、BALMUDA製品を何も持っておらず、最近はコーヒーメーカーで豆が挽けなくて失望していたくらいだから、ブランドの方向性があっていないのだと思う。

日本のスマートフォン市場がiPhone一強の様相であるところに一石を投じたいという心意気は理解しましたが、ユーザーの多くはiPhoneにどんなケースをつけるかが関心事であることを踏まえると、頑張り方が間違っていると思わざるを得ない。

万一、スマホ自体の動作や、バッテリー持ちが不評だったら、それこそ厳しいことになるだろう。BALMUDAの製品は、割引することを見たことないが、ソフトバンクショップ経由で大安売りという事態も出てくるかもしれない。

BALMUDAとしても、大量に売れるとは思っていないだろうが、持ち前のマーケティング戦略の見せ所といったことかもしれない。

それでは。