今日は、ある小学校で落語をしてた。相手は、6年生とその学年担当の先生・校長先生・保護者の方・地域の方。私は小学校の出前は初めてだったので、笑いが取れるのか不安で眠れないかと思ったが、打ち上げで久々にお酒を多く飲んだので、コテッと寝てしまった。
朝は7時半に目が覚め、やろうと思っていた「桃太郎」の復習。小学生を想定し、ほんの少しだけ改良を加えておく。
10時半に一度部室に行き、着物を持っていく。もう一人の出前に行く部員に電話。私の電話で起きたようだ…
仙台市中心部からバスで移動。12時過ぎに着いた。
企画をなさったPTAの方に連絡を取り、小学校に入る。若いエキスでいっぱいだ。
チョコチョコしているうちに、校長室へ。学校に出前に行けば何も珍しいことではない。名刺をいただいた。
そうすると、昼食として給食をいただいた。中学では給食がなかった私は、実に11年ぶりの再会だ。
おいしかった。
塾講師の同僚で、小学校の先生になった人がいたが、目的は給食だったのではないか…ちなみに、教職員も給食費は取られるらしい(←記憶が曖昧)。そして、最近の給食費未払い問題が、頭に…浮かばなかった。
しばし、校長先生と談笑。上の子どもが就職に苦労している2度目の大学4年生らしい。やはり、就職を決めることができた自分はそれなりによかった。
舞台等を整え、着替える。1時半のチャイムが舞台の幕開けを告げる。そう思ったのだ。
やはり、小学生。一同に会すれば、すぐに静まるはずもない。結局、会が進行するまでに5分くらいかかる。
いよいよスタート。後輩から舞台へ。枕がメチャメチャだが、やった「子ほめ」は、関西弁の意味を補いながら親切だった。この演技を見て、小学生はメチャメチャ笑うことを確信。
さて、私の出番である。「桃太郎」の定番にした、「芸名→出身地→名産→桃太郎」というまさに岡山県人ならでは枕でスタート。
反応は、いい感じである。
しかし、人生は甘くない。マイクからヘンテコな音が出るトラブル発生。
ちょうど、「鬼ヶ島の鬼退治で、人生の荒波を表わしている」という下り。マイクトラブルが悔しいので、「落語中にマイクがおかしくなって、こういう苦労もあるんだよ」見たいなことを言いカバー。会場は爆笑だ。
結局直らないので、マイクを切って本編に戻る。やっぱり動揺してしまったのか、重要な一文をいい忘れてしまう。しゃべりながらそのカバー方を見出し、自分の手ごたえとしてはギリギリアウトな感じで乗り切った。
時間に余裕があったため、質問タイム。ここで、見事に一本取られてしまった。「子ほめ」で人のほめ方として、2~3歳年齢を若く言うことが出てくるのだ。これが超重要。
女の子(以下、A)が手を上げる。
A:「年齢はいくつですか?」
私:「今年で23になりました」
A:「若いですね。21~22に見えます」
いまどきの小学生はいろいろな意味で侮れない。
講演は無事終了。すると、私はいっぱいの子どもに囲まれ、握手など求められる。きちんと対応した。ある女の子に、「演歌は歌いますか?」と質問された。偏見である。「歌手は、福山雅治が好き」と言うと、「知らない」と言われた。世代の差か…
着替え、PTAの方と談笑。小学生の書いた感想を少し見た。面白かったようで何よりである。後日、郵送でいただけるそうだ。面白感想は、後日紹介しよう。
その後は、最寄の駅まで送迎してもらった。道中は、なぜか高校での未履修問題で盛り上がった。
日別アーカイブ: 2006/12/04
プチ反省会
ささ、昨日の発表会の反省会をしましょう。
打ち上げ会場にて…
ビールを延々と飲み続ける
すいません…
アンケートを見た。私の予想に反して、私の落語の評価がよかった。驚いた。
「薮入り」で初めての人情噺に挑戦した。練習が行き届いているかを含め、いくらか不安があったのだが、実は。
もし、笑いがある程度でも確約されるなら、絶対に笑いが多い噺のほうが有利なのは目に見えている。なぜなら、現代の落語では、笑いの価値観は高く、お客様の大半も笑いを求めているといって過言ではないからである。少なくとも、私はそう考えている。
私に対する主な評価は、「落ち着いている」「夫婦のやり取りが上手い」というものであった。まぁ、前者はただに舞台慣れしているといった感じなんだが、後者は今回の落語の大きなポイントを握るところである。
「薮入り」の噺は、奉公にいった息子が3年ぶりに自宅に帰ってくる夫婦のやり取りで展開していく。つまり、この夫婦が中心人物であるのだ。
設定上の背景で、母親は実は継母であるといったものがあるのだが、ともかく息子の宿下がりにテンションが上がりまくる父親と、喜びながらも終始冷静な母親の感じ、そして、噺の中で、喜んだり、感動したり、驚いたり、怒ったりする父親・熊さんの描写である。この熊さんがどれだけ巧みに表現できるかが私の最も重視した点であった。
落語上に登場する熊さんという人間は、無精で乱暴者と決まっている。それが、私が演じることで「オーバータイム熊さん」と見てもらえたのか…
このポイントはいくらかは達成できたようである。
見に来てくれたOBの先輩が、「オーバータイム節」と評してくれたのを見つけ、そのように思えた。
そんなもんだから、2回通りもアンケートに目を通してしまった。
人情噺をしたことで、ほんの少し、芸の幅が広がったかな。